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チームセリング(共同作業をする)課題 ― 2013年12月07日
チームセリング(共同作業をする)課題
ヒトを提供して終わりではなく、
顧客のニーズに併せて個別のサービスを提供することが求められます。
こうしたことは、もはや当然だと考えている方も多いのではないでしょうか。
では、なぜこうなったのでしょうか。
それはある程度技術が枯れてきて技術の新規性だけでは差別化が難しくなってきた、
いわゆる「コモディティ化」が進んだからです。
コモディティ化が進むと、当然コストが安いところが有利になります。
もちろんこうした中で、
これまでとは全く異なる新しい価値を創造し、提供する企業も出てくるでしょう。
とはいえそれは簡単なことではありません。
そこで多くの企業は、生き残るための取り組みとして「サービス売り化」に向かいます。
これは「顧客視点の課題解決」へのシフトであり、
IT業界や金融業など、業種を問わずすべての業界に求められるトレンドであると言えます。
ヒト売りの延長線上にサービス売りがあるのではなく、
これらの2つはある意味で180度対立する価値観の上に成り立っているからです。
この2つをうやむやにしたままで、何となく「顧客視点の課題解決」という“ひびき”のよい言葉の下、
大きな矛盾を抱えたままでビジネスが進行することで、
「課題解決の溝」に直面してしまうのです。
「サービス売り化」を進めるうえでほとんどの企業が、
ある段階でビジネス上の壁、つまり「サービス売りの死の谷」にぶち当たります。
「従来のヒト売り」から「顧客視点の課題解決」に転換する際には、
越え難い不連続なギャップが存在することを意味しますが、
では、なぜ「死の谷」が発生するのでしょうか。
「自社サービスを売ることが目的か手段か」という違いです。
これは、顧客にとっての真の価値を考えるならば
「競合サービスを納めた方がよい」という場面に遭遇したときに顕在化します。
「純粋な顧客視点」に立つならば、取るべき選択肢は明快です。
あくまでも中立的に判断してベスト(品質、コスト、納期、付加サービスなどの観点から)
と思うサービスを選択すればよいことになります。
ところが多くの「サービス売り」ではそうはなりません。
ヒト売りから派生した擬似的なサービス売りでは、
最終的な目的が自社サービスの売り上げを上げるためであるために、
「それでもヒトを納める」という最終決定が下されるからです。
あくまでも社内の主役はヒト売り部門であり、メインはやはり「ヒトの販売」ということになるのでしょう。
こうした企業の「サービス提供担当」というのは
常に上記のような矛盾に直面するたびに無力感を味わうことになります。
理念と目的は常に共同で語られるべきものです。
そのため、「純粋に顧客視点で提案する」というコンセプトを事実上置換された状態では、
当然売り上げや利益に対する意欲を維持することはできません。
いきおい黒字化を手始めとするさらなる売り上げ拡大や「独り立ち」に大きな壁が立ちはだかり、
死の谷が発生することは想像に難くないでしょう。
◆◆◆◆◆
担当者の顧客に対する姿勢の違い
実際の商談の場での対立構造となって表れてきます。
◆◆◆◆◆
◆「商談の手離れがよい」ことを善とするか悪とするか
◆「標準化」を目標とするか手段の一つと考えるか
◆「顧客要求が不明確」であることを不快と感じるか愉快と感じるか
◆「商談の手離れがよい」ことを善とするか悪とするか
「ヒト売り」から進化したサービス売りを志している会社では、
いわゆる昔ながらの営業担当者と実務担当者がペアとなって仕事をしたり、
こうした担当者の所属する二つの部門が同時に仕事をする場面が出てきます。
このような場面で思考回路の違いが表面化するというわけです。
「ヒト売り」の世界では、いかに商談の手離れをよくするかが勝負の分かれ目です。
効率的に商談をこなして、販売1件あたりの手間をいかに最小化し、
商談後の不具合対応などの「後腐れ」を少なくできるかが営業担当の腕の見せ所とも言えます。
サービス提供型の商談では、
「手離れが悪い」ことは必ずしも悪いことばかりではなく、
むしろ機会を創出するための必要悪と見なすことができます。
それは「黙っていてもお客様から呼んでもらって様々な情報を提供してもらえる」絶好のチャンスだからです。
顧客視点で提案をするためには、自社のサービス周辺の情報だけでなく、
顧客が何に困っているのかといった自社のサービスと離れた情報も必要となります。
そうした情報を得るために、この「手離れの悪さ」が“吉”と出ることがあるわけです。
◆「標準化」を目標とするか手段の一つと考えるか
「ヒト売り」的な考え方から言えば、
商談はなるべく顧客を問わず同じものにできるのが好ましいあり方です。
したがってなるべくサービスラインアップもシンプルに説明しやすいもので、
なおかつ一つの顧客で挙げた実績をなるべく「横展開」できないかということを常に考えます。
これは第1のポイントの「手離れをよくして効率化する」ことにもつながるからです。
◆「顧客要求が不明確」であることを不快と感じるか愉快と感じるか
お客様が「訳のわからない」ことを言い出したとき、
それに対する反応は大きく2つにわかれます。一つは(これが多数派を占めますが)、
これを否定的に不快な現象としてとらえ、
「もう少しやりたいことをはっきりしてから呼んでほしい」とか
「この人と話しても時間の無駄だ」といったような反応です。
これらは基本的に前述の「効率的に話を進めたい」という潜在的な意識があるとともに、
「ヒト売り」=境界条件のはっきりした取引という前提があるからです。
これに対してお客様のあいまいな要求への2つ目の反応は、
「よし、自分がうまく課題を整理して提案してやろう」といったように、
肯定的に「商談機会」としてとらえるというものです。
サービス売りとは、
まさにこのようにお客様すらはっきり定義できていない課題を整理することから始まるのです。
「ヒト売り」とは狭義の問題解決であり、「サービス売り」とは広義の問題解決ということになります。
上流にさかのぼるほど、問題はあいまいになり、それを明確化することが仕事になります。
顧客要求があいまいであるということは、それだけ上流から商談ができることを意味するのです。
◆◆◆◆◆
共同作業をする
◆◆◆◆◆
顧客との会話から情報収集をする場面でも全く正反対の姿勢として現れます。
ヒト売り的な営業では、「雑談」はなるべく最小限にして、早く「本題」である問題の核心に入ることを望みます。
(この場合の「雑談」とは、人間関係を構築するためのものは除きます。あくまでも情報収集を目的とする場合です)。
ところが、問題そのものを発見するという段階では、
むしろ幅広い(つまり核心とは遠いと思われるところも含む)情報収集の姿勢がむしろ求められるのです。
問題発見とは、顧客自身が認識していない問題を見つけることですから、
顧客自身(あるいは聞いている側も)が「核心」と思っている所以外に真の問題が潜んでいる場合が多いのです。
このように、ヒト売りのサービス売り化には、一つの事象をとらえても、
ほぼ正反対の反応となる二つの異なる考え方をする人が共同作業をする必要があるという
構造的な矛盾を抱えていることが分かります。
実際の商談はここまでデジタルに「0か1か」で分かれるものではありませんが、
実はこの相反する2つの要素が組み合わさって構成されています。
この構造を認識しておかないと、ここまで述べたような対立構図となり、
例えば社内の意思決定をする際に不幸な事態が発生することになります。
その一つの例が、社内で「主流」であるヒト売り側のスタンスが最終的にはまかり通り、
顧客志向の課題解決担当者のモチベーションが下がってしまうことです。
◆◆◆◆◆
価値観共有の結果(有り様)とネクスト・ステージへの共同作業継続が成功のカギとなるでしょう。
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